以前書いていたブログの中で「トランスジェンダー(FtM)」の氏名変更について、記事を書きました。その記事のアクセスが大変多くあったので、こちらのブログでも、性同一性障害を理由に改名するにはどうすれば良いのか?変更のプロセスを丁寧に説明していきたいと思います。
パレード行ってきた

この記事でわかること
1.名前の変更の流れ
2.具体的な変更申立書の書き方について(具体的な文章の例)
3.許可されたのちのスムーズなお役所関係のこと


1.名前の変更申立書の流れ
まず氏名の変更をするためには「家庭裁判所での許可手続き」が必要になります。まずはお住まいの管轄区域の「家庭裁判所」をネットで検索。裁判所のリンクで都道府県をクリック、またはネットサーチで「〇〇県 家庭裁判所」で見つかります。裁判所がわかったら許可手続きの準備をします。

市役所に行って戸籍謄本(全部事項)を取り寄せる
住民票のある市役所に行っても、取得できません。「本籍地」のある場所で戸籍謄本を取ってください。

「名の変更許可申立書」の記入(※書き方については後ほど書きます)
裁判所トップページ から→ 裁判手続の案内 → 家事事件 → 名の変更許可→書式のダウンロード
または、名の変更で検索!

変更前の免許証やマイナンバーなどの身分証明書のコピーを用意する
パスポートや免許証、マイナンバーカード、顔写真入りがベストだと思います。

性同一性障害の診断書
通っている病院の先生にお願いして、診断書を受けてとってください。私の旦那ちゃんのはアメリカの診断書だったので、和訳をつけて和訳した人の名前を記載しておきました。

変更したい名前を使用している証拠となるもの、郵便物など
多ければいいというわけではなく、会社のIDカード、生命保険の「保険証券」、宅配便の控え、メンバーズカードとか。実際ちゃんと申立する名前を使っている事がわかればOK!多くの人に名前が周知されているということがわかることが大切です。

封筒を用意し、送るための準備をする
~郵便局に向かいます~
郵便局に行くのが面倒なので、一回で終わらせます。書類を郵便局へ持っていきます。
申立書に収入印紙800円を貼る 収入印紙はコンビニでも買えます。申立書の上の方に貼ってください!
⑧返信用封筒の切手を購入(こちらは家庭裁判所にいくら必要か電話で確認してください)
書類に押印。書類は簡易書留で送付!

ここまでできれば、「戸籍上の氏名や性別の変更などに関する審判」の返事を待つのみです。
私の場合には2週間後に電話で簡単な質疑応答をしてその日のうちに許可されました。

2.具体的な変更申立書の書き方について(通りやすい申立書)
結構申立書の書き方が、難しくてどんな感じで書いたらいいの?と、思っている方がいらっしゃいますが、アドバイスとしては、ポイントを抑えて書いていたら、OKなんじゃないかな~と思います。

申立書は、裁判官が読むので、作文みたいに書くのではなく会社の稟議書書くぐらいでOK。
☆2枚目の理由を書く紙には、下記のポイントを書いてください。

性同一性障害の場合は「8.その他」を選んで、性同一性障害のためと書きます。
変更したい理由は人それぞれですが、この流れで書くとスムーズに書くことができます。

・名前をAからBに変更したい
・その名前を日常生活で使用している
・その名前は、戸籍名よりも知られている
・戸籍名と通称名が異なっており、周囲に混乱を招いている
・ホルモン治療を受けている
・性別適応の手術をする予定である
・男性として生活をしている(男性の容姿で生活して、トイレなど使用している等)
・家族が名の変更について理解がある


この辺は、書いておくと家庭裁判所にわかりやすいし、気持ちも合わせて書くことで伝わりやすいと思います。また状況に応じて
・結婚しているまたは、事実婚状態であること、パートナーシップを持っていること
・手術の予定がある(なくてもあるって書いて!)
・現在のパス度も書いても良いかもしれません。

私の申立書に実際に書いた文章はこの通りです。
「私は、アメリカの主治医より「性同一性障害」と診断され、現在ホルモン治療を行っております。
日常生活では、男性として生活しており、男性用トイレの使用、職場でも男性として仕事をしています。

日常生活を送る中で、「アメリカ太郎」を通称としており、周囲の人たちにもこの名前が戸籍名よりも知られています。戸籍名である「OO子」はパスポートや保険証、銀行口座などの使用時に、通称と異なるため周囲に混乱を招いており、説明が必要で不便です。また男性名ではない為に、使用する際に精神的な苦痛があります。

よって、男性名である「アメリカ太郎」への変更をしたく申し立てすることになりました。
現在、私は女性と結婚し、同棲しています。家族の理解を得て、ホルモン治療だけでなく性別適応手術も考えております。英国名のアメリカは、アメリカ人の父から。太郎は、日本人である母からもらった名前です。上記の理由にて、名を「アメリカ太郎」へ変更を申し立てます。

こんな感じでした。この書類を提出後に、電話、または裁判所へ行く必要があるかもしれません。
しかし意外と簡単に認められ、返信封筒にはペラペラの紙2枚しか入ってなかったのです。
そのあと、すぐに市役所へ。市役所の書類を変更さえすれば、生きていくのはしばらく大丈夫。

3.許可されたのちのスムーズなお役所関係のこと

いよいよ認められたら、全ての名前を変更してしまいましょう!

1.市役所で「名の変更許可書」を提出。戸籍を変更する。
→戸籍には前の名前に二重線が引かれます。戸籍変更には、1週間ほど。
でもすぐに住民票は出してもらえると思うので、そちらを利用します。

2.健康保険証の氏名変更(国民健康保険の場合)・マイナンバーカードの変更
こちらは、名の変更をしたら自動でやってもらえます。多分!!

3.年金、納税関係部署へ確認

もし、自分で市民税とか年金払っている場合、手元にある振込用紙、使えます!
住民のナンバーがあるそうなので、名前が変わってても大丈夫。

4.免許証変更

お近くの警察署の窓口まで。住民票写しがあれば、免許証の裏に
変更後の名前書いてもらえます。

5.銀行関係・給与関係

免許証・健康保険証を持って、銀行へ行きましょう。
通帳には手書きで名前を変更してもらえ、振込名も変更できます。

6.一週間後、戸籍抄本をもらってパスポートの名義変更。

パスポートは、前に作ったやつを返して、一週間後に取りいきます。
新しい旅券番号が振りあてられます。ビザを取ったり、パスポート何かに使うという場合は、今のやつ使えませんので!

ちなみにスムーズな手続きの順序は、私が結婚した時にやった
【市役所】→【運転免許証】→【銀行口座】→【クレジットカード】→【生命保険】→【パスポート】
これなら確実です。本人確認書類さえあれば、無敵です。会社への報告は、給与振込の際にあれ?ってならないようなタイミングでいいと思います。

うろおぼえですが、こんなもんだと思います。弁護士などに相談せずに、自分の力で、名の変更できてよかったと思います。誰かのお力に立てますように!

注意!
※こちらの裁判所のホームページを必ず、目を通してください。
※またこの情報は2017年7月の情報、かつ個人の体験談です。申立書が棄却されたとしても、責任は取れませんので、裁判所ホームページまたは電話等で確認の上、申請してください。
※個人の相談、質問には答えかねます。読んでいただき、ありがとうございました。


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